木のえにしを大切にしたい

日本は世界有数の森林大国で、古くは縄文時代から森林や山(自然)の恩恵を受けてきました。人々は山の恩恵に感謝し、自然の摂理に寄り添い生きてきた。森があれば里ができ、田畑では作物が穫れる。山があれば、森の栄養を含んだ一滴の水が、川の流れとなって海に注ぎ、豊な漁場になる。現代人よりも、古代人の方がずっと持続可能な生き方を知っていました。

今、温暖化という人類未曾有の地球の危機に対し、再び、自然に寄り添うことが必要になっています。しかし、我々、現代人は、森や山とどう向き合っていいのやら、たくさんのことを忘れてしまいました。だから、ほんの少しでもいいから、山の恩恵は山に還し、海の恩恵は海へ戻そう。そして再び森や山と寄り添って暮らせるようになろう。

私も山の恩恵を受けたひとりです。葉っぱビジネスを立ち上げ、木々から多くを学びました。そして、木によって導かれたご縁がたくさんできました。こうして木を使い、木々を育てることが山を生かすことである。そう思います。

”木の糸”(きのいと)とは、木によって多くの方々と繋がりを持つ縁(えにし)を意味します。同じ思いや、同じ考えが集まれば、危機を乗り越えることはできる。そして、未来へバトンを渡すためにも、できるところからコツコツと進めていきたいと考えています。

木の糸コンソーシアム
本部長 阿部 正登